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みかんの話

      

昨日は随分とグチっちゃったから、今日はなごむ話を書こうかな。

      

私が旦那と一緒になって、今年で3年になる。お付き合いの期間を入れたら4年近くになるかな。

冬になると毎年みかんを送ってきてくれる依頼者さんがいて、その人はもう随分前に旦那が弁護をした方なんだけど、毎年毎年、律儀にみかんをくれるんだよね。田舎で農家をやってるらしく、その年に採れた一番出来のいいやつだからめちゃくちゃ美味しいのだ。

     

4年前。付き合ってすぐの旦那の家はまだ広めのワンルームで、例に漏れずめちゃくちゃ散らかっててきったなくって、どこから手をつけていいのか分からないくらいの有様だった。

依頼者さんからの贈り物がごそっとその辺に置いてあって、独り者では片付けきれない量だったから、お菓子とかはだめになってたな。事務子も手伝って食べてたんだけど、お酒なんかは好みもあるし、人にあげたりしてたよ。

    

そんな中、段ボールいっぱいのみかんがどーんと届いた。

       

ほんと『どーん』ってかんじの量で、食べても食べても減らないし、独身の冷蔵庫はすぐみかんでいっぱいになった。

こんな量もらっても食べきれないね、痛む前に誰かにおすそわけしたほうがいいんじゃないの。まったく、あなたが独り者だってこの人は知ってるの?

うん、知ってると思うよ。事件は随分昔に終わってるんだけど毎年くれるんだよね。最初はこの半分くらいだったんだけど、多分結婚したと思って量が増えてるのかもね・・・

いい歳ぶっこいてまだ独身だとは思ってないんだろーね、プ!でも、どんな事件だったの?毎年くれるなんて、随分感謝されてるみたいだけど。

       

話を聞いて、事務子はそのみかんを食べながら涙がでそうになってしまいました。

    

とある男性が、幼い子どもを残して交通事故で亡くなってしまい、その賠償金の弁護を旦那がやった。その男性の両親がみかん農家で、毎年お礼と言ってみかんを送ってくれていたのだそうです。

食いきれねーと事務子が文句を言ったその裏には、息子を亡くした親御さんの、律儀で誠実なお礼の気持ちがあったのでした。ああーなんてことを!すっかり落ち込んでしまった事務子を慰めるように、けどほんとに食べ切れませんからねえ、と優しく旦那は笑うのでした(あのころはよかったぜ。チッ)

      

図々しくて厚かましい人もたくさんいるけど、こちらが忘れてしまっていてもなお感謝の気持ちを届けてくれたり、ご連絡くれたりする方もたくさんいます。弁護士業って、本当にハードだし暗ーい話も聞かなくちゃいけないし、負のパワーなんてもらっちゃったりすると自分までやられちゃったりして大変です。皆が思っているよりもずっとずっと大変だと思う。ドラマのイメージは捨てた方がいいかもしれない。

けどそんな中で、依頼者の方の心からほっとした笑顔とか、こうやって「ありがとう」の気持ちに触れた時とか、まあつまり人の役に立てたんだなって感じる時はすごく弁護士になってよかったって思うんだって。

     

事務子もそんなふうに誰かの役に立ってみたいな。まあ近場なところでまずは旦那のお役に立ちたいんだけど、今日も電話番と経理くらいなもんでした。てへ。

     

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